賃貸経営ノウハウ(ビルオーナー・大家さん向け)

テナントビルオーナーの味方は誰か?不動産会社、管理会社を決める基準とは?

こんにちは。

テナント物件専門の不動産コンサルタント、

チャレンジ・スペースの梶谷です。

チャレンジ・スペースでは、テナントビルのオーナーさんから、テナントの入れ替え時期ではなく、入居賃貸中に今までの不動産会社から管理会社の立場になることを依頼されるケースが時々あります。

その理由で多いのは、今まで任せていた不動産会社との間で、信頼関係が崩れてしまった、というケースが多いです。

また、そのようなケースにおいては、同時に入居テナントとの間でトラブルを抱えて悩まれているケースが多いのも特徴です。

そして、そのようなビルオーナーさんからじっくりとお話を聞いてみると、その原因が大きな一つが浮き彫りになってきました。 続きを読む

貸店舗・貸事務所などテナント物件の保証金(敷金)と保証会社利用の考え方

こんにちは。
テナント物件専門の不動産コンサルタント、
チャレンジ・スペースの梶谷です。

先日、ある貸店舗や貸事務所を所有されているテナント物件のオーナーから次のような質問がありました。

貸店舗・貸事務所に中々テナントが決まらないのですが、

今まで付き合いのある不動産会社の担当者から、

保証金(敷金)を少なくして、保証会社の利用を必須という形にすれば、決まりやすいですよ。

という提案を受けられたそうで、
意見を求められました。

それに対して、私からは以下のような主旨のお答えをさせて頂きました。 続きを読む

小規模テナントビルや街中の貸店舗や貸事務所など小規模テナント物件の適正賃料とは?

こんにちは。
テナント物件専門の不動産コンサルタント、
チャレンジ・スペースの梶谷です。

オーナーから貸店舗や貸事務所のテナント募集(リーシング)を依頼されると、
まずは、賃料の査定を行います。

仮に、すでに他の不動産会社にテナント募集(リーシング)を依頼されていて、中々決まらずに私の会社に依頼されてきた場合であっても、基本的には査定するようにしています。

なぜなら、そもそもの賃料の査定額が、物件の価値と全く釣り合いが取れていなければ、その後のテナント募集(リーシング)活動や空室対策にも支障をきたすからです。

さて、貸店舗や貸事務所といったテナント物件の適正賃料とは一体どのようなものなのでしょうか?

よく、坪単価●千円
なんていう話を聞きませんか?

都心の大規模オフィスビルなどにおいては、一定の相場が形成されていて、
坪単価でその物件毎に賃料を比較することができます。

では、私の会社で依頼の多い
個人オーナーや中小企業が所有する

小規模テナントビルや貸しビルや
街中の貸店舗や貸事務所といった
小規模テナント物件ではどうなのでしょうか? 続きを読む

ビル建て替えに向けたテナントとの賃貸借契約を計画的に進める定期借家契約の活用方法

こんにちは。
テナント物件専門の不動産コンサルタント、
チャレンジ・スペースの梶谷です。

すでに活用されている方は多いと思いますが、

ビルに限らず、
建物の老朽化などにより
賃貸物件の建て替えを計画している時は、

新しく入居する入居者とは
建て替えまでの期間を契約期間とする
定期借家契約を結ぶことによって、

期間の満了時には、
つまり、建て替えに伴う解体工事の着工前までに、確実に物件を明け渡しを借主に主張することができるわけですね。

では、建て替え計画ができる前までに入居している入居者がいる場合はどうなんでしょうか?

結論から言えば、
事業用、つまり店舗や事務所などの
商売で使っているテナントとの間であれば、

貸主・借主双方の合意で、
従前の普通借家契約を解約し、

新たに、建て替えまでの期間を契約期間にした、定期借家契約を結ぶことにより、

解体工事が始まる前までに
確実にテナントに退去を主張することができます。

ただし、ここで2つだけ注意点があります。

1つ目は、
従前の普通借家契約を解約するためには、

必ず貸主・借主双方の合意が必要であるということです。

普通借家契約では、貸主に正当事由がない限り、貸主からの一方的な解約は認められないからです。

この正当事由は、余程のことがない限り、中々認められません。

2つ目は、従前の普通借家契約が、定期借家契約に関する法律が施行されるる前に締結されていたケースで、

かつ、定期借家契約に切り替えようとしている物件が、マンションやアパートなどの居住用の建物である場合は、

法律によって当分の間は、
普通借家契約から定期借家契約への切り替えができないことになっています。

ただし、これも、
同一当事者で、かつ同一建物のケースではダメである、
ということなので、

いくつも部屋を持っているケースで
隣の部屋へ移動してもらう、
といったアイデア次第では
可能なパターンもできると思います。

いづれにしても、

テナントビルや貸しビルなど
貸店舗、貸事務所といった
事業用のテナント物件においては、

双方の合意解約によって
定期借家契約への切り替えが可能だということです。

そのためにも、
ぜひ既存の入居テナントとの間の関係を良好に保つことがいかに大切か、
改めて認識できますよね。

日常的なテナントとのやり取りは、
信頼の積み重ねを形成する
とても大切な接触機会です。

このことを、
我々、管理会社の人間はもちろんのこと、

オーナーの方々も、
認識されることが大切であると思います。

以上、

ビル建て替えに向けたテナントとの賃貸借契約を、計画的に進める定期借家契約の活用方法

についてお伝えさせて頂きました。

貸ビルや貸店舗などのテナント経営をされている
不動産オーナーの方々のご参考になれば幸いです。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。

新築テナント物件のテナント募集(リーシング)における問題点と改善ポイント

こんにちは。
テナント物件専門の不動産コンサルタント、
チャレンジ・スペースの梶谷です。

私の会社では、新築の物件でテナント募集(テナントリーシング)でお困りで、お問い合わせを受けることがあります。

新築物件と言っても色々ありますが、
大きく分けて次の2つになります。

1つは、純粋のテナントビルや貸しビルです。

もう1つは、賃貸マンションの下層階の貸店舗や貸事務所です。

では、それぞれのケースにおける特徴や問題点、リーシング改善に向けたポイントを概観してみます。 続きを読む

テナント契約における定期借家契約のメリットと運用方法のリスクと注意点

こんにちは。
テナント物件専門の不動産コンサルタント、
チャレンジ・スペースの梶谷です。

貸店舗や貸事務所、貸しビルなどのオーナーさんであるみなさん、定期借家契約をきちんと運用されていらっしゃいますか?

私の会社では、賃貸借期間の途中から管理会社の変更で依頼されるケースが結構あります。

テナントとのトラブルや、テナント特有のお困りごとなどを抱えていらっしゃるオーナーさんからのお問い合わせが中心です。

その中でも、定期借家契約の再契約から依頼を受けるケースがあります。

その際、これまでまの従前の契約書を拝見させて頂くのですが、それが定期借家契約の法的要件を満たされていない可能性の高い契約書があることがあります。 続きを読む

テナントの解約手続き3つのポイント(解約受付、明渡し退去立会い、敷金・保証金の精算)

こんにちは。
テナント物件専門の不動産コンサルタント、
チャレンジ・スペースの梶谷です。

店舗や事務所として賃貸物件を貸している入居テナントから
ある日突然、いついつまでに退去したい!
というような連絡が入ってきたらどうしますか?

テナントが入居する時は、関係者一同、
何となく気持ちが高ぶっている事もあり、
色々と前向きに多面的に準備をしているものですが、

いざ、入居テナントが退去する、ということに関しては、
大家さんとしては、言われて初めて分かることでもあるためか、

多くの方が、いざその場になって初めて
頭を働かせて考えるということが多いと思います。

そのため、後になって初めて
あーあすれば良かったとか、あれは失敗したな、
というようなことが起こりやすいものです。

特に、事業や商売をやっているテナントが退去するということは、
多くの場合、テナント商売にマイナスの出来事が
退去の原因になっていることが多いため、

入居前や入居中は良い人だと思っていた人が、
切羽詰っている、というケースもあり、

解約の手続きや、話し合いなど、
困るケースもあります。

そこで、テナントが退去にまつわる解約手続のポイントを
ここでは3つ程、簡単に幾つかお伝えしたいと思います。 続きを読む

貸店舗やオフィスビルなどテナント物件の入居審査で実は最も大切なこと

こんにちは。
テナント不動産コンサルタントの梶谷です。

貸店舗や貸事務所、オフィスビルといったテナント物件の入居審査において、
最も引っかかる部分は何だと思いますか?

 ●入居者の売上や資本金でしょうか?
 ●連帯保証人の収入でしょうか?
 ●人柄などの人物的要素でしょうか?

私の経験からまとめると、
上記のどれもが入居審査時に不動産会社や物件オーナーにとって
必ず確認するべき大切な事柄ではありますが、

こと事業用のテナント物件においては、
同じくらい、いやそれ以上に神経を尖らせて確認する事柄があります。

それは、 続きを読む

事業用テナント物件と居住用賃貸住宅の本質的な違いを知って賃貸リスクを減らす視点

こんにちは。
テナント不動産コンサルタントの梶谷です。
 
   「テナント」という言葉は、

広義には「賃借人」という意味で、
住宅も含めた全ての賃貸物件で使われる言葉のようですが、

日本では、
店舗を中心に貸しビルやオフィス物件などの事業用賃貸物件や
その借主を指す言葉として狭義の意味で使われているケース
が多いのではないでしょうか。

当ブログでは、後者の立場で、
店舗や貸ビルなどの事業用賃貸物件のことを「テナント物件」
として定義しています。

さて、ここで一つ質問です。

事業用の「テナント物件」と居住用の「賃貸住宅」
の本質的な違いは一体何でしょうか? 続きを読む