テナントの解約手続き3つのポイント(解約受付、明渡し退去立会い、敷金・保証金の精算)

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こんにちは。
テナント物件専門の不動産コンサルタント、
チャレンジ・スペースの梶谷です。

店舗や事務所として賃貸物件を貸している入居テナントから
ある日突然、いついつまでに退去したい!
というような連絡が入ってきたらどうしますか?

テナントが入居する時は、関係者一同、
何となく気持ちが高ぶっている事もあり、
色々と前向きに多面的に準備をしているものですが、

いざ、入居テナントが退去する、ということに関しては、
大家さんとしては、言われて初めて分かることでもあるためか、

多くの方が、いざその場になって初めて
頭を働かせて考えるということが多いと思います。

そのため、後になって初めて
あーあすれば良かったとか、あれは失敗したな、
というようなことが起こりやすいものです。

特に、事業や商売をやっているテナントが退去するということは、
多くの場合、テナント商売にマイナスの出来事が
退去の原因になっていることが多いため、

入居前や入居中は良い人だと思っていた人が、
切羽詰っている、というケースもあり、

解約の手続きや、話し合いなど、
困るケースもあります。

そこで、テナントが退去にまつわる解約手続のポイントを
ここでは3つ程、簡単に幾つかお伝えしたいと思います。

目次

≪ポイント1≫解約受付時

まずは、解約の受付時ですが、
テナントから解約の連絡が入った場合は、

まずは、退去予定日を確認するとともに、
従前の賃貸借契約書をお互いに再度確認し、
そこに記載されている解約予告期間を確認するようにしてください。

特に、切羽詰っているテナントの場合、
仮に解約予告期間が3ヶ月と書いてあるにもかかわらず、

今月末に退去するので、
賃料も先月末に当月分を支払っているから
もう払わなくてもいいですよね!

なんていうことを言ってこられるケースがあります。

大抵は、契約書に書いてある内容を忘れてしまっているか、
もしくは、自分のことで頭が精一杯になっているケースが多いです。

そこで、相手にも自分の賃貸借契約書を出してきてもらい、
お互いが確認する、というプロセスを取ることで
相手に契約時に取り決めた内容を思い出してもらいます。

そして、その上で解約通知書という書面をテナントに渡し、
そこに、解約予告期間を確認した上で、
実際の退去日希望日(明渡し予定日)を記載してもらい、
証拠として送り返してもらいます。

それによって、オーナーとしては
次の募集活動ができるわけです。

注意しなくてはいけないことは、
この書面のやり取りを省いて、口頭だけで解約の受付をし、
その後次の入居者が決まったにも関わらず、

退去日の認識のずれで、
つまり、言った言わないで、
入居者のダブルブッキングをしてしまう、
ということが一番恐ろしいことです。

≪ポイント2≫明渡し退去立会い

2つ目は、明渡しに伴う退去の立会いです。

これは、テナントが自分達の物品を片付けて、
原状回復工事が終わった段階で、
貸主(又は不動産会社担当者)と借主の双方が
現場で立会い確認を行うのは当然ですが、

できれば、少なくとも別のタイミングでもう一度、
現地で確認の打合せをするようにしてください。

そのタイミングは、解約の受付後、原状回復工事の発注をする前
がベストだと思います。

テナント物件の場合、

オフィス物件の場合は、アパートやマンション同様に、
原状回復工事を貸主(オーナーサイド)が手配、施工するケースが
多いと思いますが、

店舗物件の場合は、スケルトン貸しのケースが多いため、
原状回復工事の施工も、入居時の内装工事と同様に
テナントが発注、施工するケースが多いと思います。

ただ、大家さん(オーナー)からすると、
自分達の決めた業者に発注するわけではないため、
どのように原状回復工事がなされるかを
事前にきちんと把握している必要があるわけです。

さらに、入居時点から年数が経過しているテナントの退去の場合や、
ある程度の規模のテナントが入居していた場合などは、

テナントの責任者が変わっているケースも多々あり、
そもそも、原状回復における「原状」の認識が
貸主(オーナー)との間で異なっているケースも間々あります。

このような認識違いがあるままで
原状回復工事が行われてしまうとどうなるか?
それは分かるますよね。

そのため、このような事態を防ぐためにも、
ぜひ、退去および原状回復工事の事前打合せを
退去まで時間的に余裕のある日時に、
現地で双方の責任者が立会いのもと行うようにしてください。

私の会社では、
退去の解約時からお手伝いさせて頂くケースが時々あります。

このようなケースでは、
従前の賃貸借契約の作成は弊社では当然してないため、
時々、原状回復の条文における「原状」の意味が不明確なケース
に出くわすことがあります。

その際は、当事者が事前に現地で集まって話し合いをすることが
とても重要になってきます。

もちろん、当初入居時に作成する契約書に
原状回復の「原状」について、明確に記載しておくことが
重要になるのは言うまでもありませんが。

弊社では、居抜き物件などで内装・設備が複雑なケースでは、
図面に詳細なコメントなどを記載して、
退去時に認識違いのトラブルが起きないよう工夫したりしています。

≪ポイント3≫敷金・保証金の精算

退去手続きの最後は、敷金の精算業務になります。

テナント物件では保証金という言葉を使っているケースが
多いと思いますが、考え方は同じです。

ここでは、何よりも大切なのは、
敷金(保証金)の返却について、相手(テナント)にきちんと
その内容を説明する、ということです。

説明する内容で特に大切なのは、
敷金(保証金)から差し引く項目とその金額、
そしてその根拠ですね。

契約書に基づいてその根拠を説明できればベストです。

そして、敷金(保証金)の返還時期です。

これは、実際、退去するテナントから聞かれることが多く、
テナントからすると、できるだけ早く返還してほしいのも
よく分かります。

その時、まずは賃貸借契約書を確認し、
敷金(保証金)の返還時期を確認し、
それを根拠にテナントに明確に伝えることが大切です。

その上で、貸主さんがそれよりも早く返金してあげるのであれば、
テナントからは喜ばれることになります。

もう一つ、ここで一番大切なことは、
これは当社の契約書では記載していることですが、

敷金(保証金)の返還は、テナントが退去して
かつ金銭的な債務を果たした後●ヶ月以内に残金を返金する

とうたっています。

つまり、物理的な明渡しだけでなく、
賃料等などの金銭的な債務があれば、
それを果たしたことを貸主が確認してから返金されますよ

ということをきちんと相手に伝えることが
とても重要になります。

なんでか分かりますよね。

以上、テナントから解約の連絡が入った際にトラブルを防止するために、
これだけは思い浮かべてもいらいたいポイントを
駆け足で3つに絞ってお伝えさせて頂きました。

貸ビルや貸店舗などのテナント経営をされている
不動産オーナーの方々のご参考になれば幸いです。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。

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