起業家にとって、最適なオフィス選びとは?

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目次

起業家向けビジネス誌に掲載された執筆記事

ここに投稿した内容は、月刊「事業構想」(事業構想大学院大学:発行)という起業家向けビジネス誌の2012年11月号(10月1日発売号)に掲載された、

「起業のミカタ ~スタートアップを円滑に進めるためのノウハウ~」

と題したシリーズ物の連載企画に、私(梶谷)が執筆した記事の内容です。

これから起業・開業される起業家の方々にとって、とても参考になる内容だと思い、ここに改めて投稿しました。

ぜひお読み頂き、参考にして頂ければ幸いです。

1.はじめに

スタートアップ期の最適なオフィス選びとはどのようなものでしょうか。

事業を戦略的に進めるため、身の丈に合ったオフィスを選ぶのであれば、オフィスが事業成長のドライブにもなります。

しかし、オフィス探しは頻繁に行うものではありません。

知識や経験が乏しい中で選んた結果、あとで後悔することは何ともしても避けたいものです。

そこで今回は、初めてのオフィス選びにおける基準作りの方法や、スタートアップ期に適したオフィス形態をご紹介していきます。最適なオフィス選びにお役立てください。

2.本当に事務所が必要なのか?

借りてしまってから後悔しないためにも、オフィス探しを始める前に、自分にとって「本当に事務所が必要なのか?」ということを、少しだけ時間をとって検討してみてください。

その時は、事業という視点を入れてみてください。

必要性の検討にあたっては、次の2つの観点からチェックしてみてはいかがでしょうか。

(1)「何のために」事務所を借りるのか?

業務上、「何のために、どの位」のスペースが必要になのか具体的に考えてみましょう。

例えば、「社員が2人で、取引先との打合せが多いので、事務机2つと4人用の応接セットが入るスペースがほしい」というケース。

オフィスを必要とする理由が具体的かつ明確です。

さらに必要な理由が事業内容とリンクしているため、あまり心配はいらないでしょう。

逆に、「ライバル会社に負けないよう、立派なオフィスを構えたい」となると、少し心配になってきます。

戦略的な判断があればいいのですが、危険な判断とならないよう、事業内容との整合性をもう一度振り返ってみたいものです。

(2)「今」、事務所が必要なのか?

さらに、「今」どのようなオフィスが必要なのかも考えてみましょう。

事業の発展段階によって必要となるものは変化していきます。

ともすると将来のことに気を奪われてしまい、つい大きなスペースが必要と思いがちです。

しかし、いくら可能性のある事業だとしても、今現在の必要性とは必ずしも一致しないはずです。

現在の身の丈に合った物件を選択することは、スタートアップ期のリスクを低下させることにもつながります。

将来のことだけなく、「今」の必要性についても冷静に見つめることは大切なのではないでしょうか。

3.事務所を借りるメリットは何か?

現実的な必要性のほかにもう一つ検討しておきたいことがあります。

それは、自分にとっての「メリット」です。

面積や賃料など目に見える条件とは異なる、自分が本来オフィスに求めていること。

例えば、あるオフィスを借りる場合、どんなメリットがあるでしょう?

「スタッフや取引先と一同に会して作業ができるため、業務の効率が高まる」
「家庭とは別の場所のため、創作活動に集中できる」
「自宅に近いため、時間を気にせず仕事に打ち込める」
「ビジネス街のオフィスビルのため、取引先からの信用が高まる」

など、事業や人によって様々なメリットがあるでしょう。

あこがれのオフィスを目の前にしてしまうと、本来自分がオフィスに求めていることが吹き飛んでしまうのも人情です。

自分だけの基準作りのためにも、さらに初心を忘れないためにも、オフィス選びの前に考えておきたいものです。

4.スタートアップ期に利用しやすいオフィス形態

さて、ここからは、一般のオフィスビルだけでなく、レンタルオフィスなど、オフィス選びにおいて知っておきたい、各オフィス形態の特徴や注意点について、スタートアップ期の起業家の視点でご紹介します。

(1)自宅兼事務所

まずは、自宅を事務所として使えるのか検討したいものです。

新たな出費が発生しない点が最大のメリットです。

業務に支障がないのであれば、問題ないでしょう。

将来のことはその時になって検討するというのも一つの考え方かもしれません。

ただし、自宅の間取りや、家族との関係次第では、私生活とのケジメがなくなる可能性もあります。

特に来客があるような業務では、よくよく考えたいものです。

その際は、外部の喫茶店を利用など、工夫をしてみるのも良いでしょう。

注意点としては、業務内容によっては許認可等で事務所要件が定められているケースもありますので、事前に確認しておきましょう。

(2)レンタルオフィス

今やビジネスインフラともなったレンタルオフィス。

一般的に施設内は、デスクのある専用スペースと、打ち合わせコーナーなどの共用部分に分かれています。

オプションで専用の電話番号が持てたりするなど、多様なサービスが提供されています。

メリットは何と言っても、低いトータルコストで自分のオフィスが持てること。

自分でオフィスを借りる場合と比べて、充実した共用部分が利用できること。

さらに、必要に応じてサービスを選択できることなどです。

一方、広さを必要とする場合は単価的に割高になる傾向があります。

また、共用部分の利用頻度が高い場合は、他の利用者とのバッテッィングの可能性も出てきます。

利用上の注意点としては、共同利用施設であるため、何かあった時のためにも、信頼できる業者が運営しているかどうかの確認が大切になるでしょう。

ちなみに、バーチャルオフィスや貸会議室もレンタルオフィスの一種と言えるでしょう。

前者は、住所利用に、後者は会議室利用に焦点を当てたオフィスサービスと言えます。

(3)マンションの事務所利用

最大のメリットは、一般のオフィスと比べた初期費用の低さです。

物件にもよりますが、一般のオフィスと比べて、保証金や敷金の金額が少なくてすみます(ただし、事務所利用の場合は、通常の住居使用の場合より若干上乗せになるケースが多いです)。

また、外観や内装がおしゃれな物件も多く、デザイン系の仕事の方などには好まれるようです。

一方、基本は住宅のため、設備的に一般のオフィスの機能を全て求めるわけにはいきません。

さらに、内装の変更や人の出入り、看板の掲示などに一定の制限がある場合があります。

注意点としては、事務所利用はあくまでもオーナーさんの了解が前提であるため、事務所使用可で募集に出ているケース以外では、事前にきちんと確認をする必要があります。

(4)オフィスビル

スタートアップ期には小規模ビルの利用価値が高いでしょう。

入居テナントも中小・零細企業が多いです。設備的に大規模ビルには及びませんが、都心一等地に専用オフィスを構えられるのが何よりの魅力です。

事業の信用構築にも大いに貢献するでしょう。

また、以前と比べて賃料条件等もだいぶ値頃感が出てきています。

そうは言っても、一般の事務所ということで、ある程度の初期費用は必要になってきます。

トータルの費用を把握する上では、賃料や保証金以外のその他費用の確認も重要です。

特に退去時の原状回復については、事前に条件等の確認をきちんとしておきましょう。

最後に、最近注目を浴びている「シェア利用」ですが、レンタルオフィスとは異なり、自由なオフィス作りができる反面、注意点も多々あります。

中でも、同居する入居者間でのルール作りは大切です。

運営面や金銭面だけでなく、退去時の取り決めなど、事前に入居者間でルールを定めておかないとトラブルの元になります。

何よりもオーナーさんの理解を得るためにも、きちんとしておきたいものです。

あくまでも事業が「主役」、オフィスは「脇役」

オフィスは効果的なビジネスツールです。

ただし、必要性やメリットがないままオフィスを構えることは、逆に事業にとってマイナスにもなりえます。

せっかく自分のオフィスを構えるのであれば、事業の発展につなげたいものです。

そのためには、事業そのものが「主役」で、オフィスは主役を引き立たせるための「脇役」である、という視点が大切なのではないでしょうか。

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